KDDIは10月31日、音声対話AI(Artificial Intelligence:人工知能)技術を活用してスポーツの習慣化を目指す実証を開始すると発表した。この実証では、参加企業のオフィスにKDDIの音声対話AI技術を搭載したコミュニケーションロボットを設置し、そのロボットと参加者が会話しながら運動に取り組むことで、日々の運動を習慣化して社員のスポーツ実施率が向上するかを検証する。
スポーツは自己免疫力の向上やストレス解消などの効果があると考えられるが、日本の成人における週1回以上のスポーツ実施率は56.4%であり、文部科学省が掲げる第3期スポーツ基本計画の目標値70%とは乖離している。
特に働く世代や子育て世代を中心に「仕事や家事が忙しいから」「面倒くさいから」などのスポーツに割く時間や手間が課題となり、日々のスポーツの実施が遠ざけられているようだ。
KDDIは2030年に向けた技術戦略「ライフトランスフォーメーション テクノロジー」を掲げ、モビリティや宇宙やメタバースなど、さまざまな体験行動に革新を起こす技術開発を進めている。
その中でも音声対話AI技術は、スマートフォンなどのタッチデバイスに代わる新たな操作インタフェースとして、技術開発やサービス開発を進めているという。その新たな取り組みが今回の実証であり、「いつでもどこでもスポーツができること、適切なアドバイスを受けられること」の実現を目指すとしている。
今回の実証では、KDDIが開発した自然な会話を目的とする音声対話AI技術を活用して、実際のパーソナルコーチの指導方法を学習したAIコーチングロボットを作成した。AIコーチングロボットを通じた指導や支援によって、参加者のスポーツ実施に関する意識や行動変容を目指すという。
今回の実証では、参加企業のオフィスの一画にAIコーチングロボットを設置し、ロボットが従業員との対話を通じて、ウォーキングやオンラインフィットネスといった各種運動プログラムへの参加を促すなど、運動の実施と習慣化を促す。
近年定着が進んでいるハイブリッドワークに着目し、オフィスワーク時は出社のついでにウォーキングやスポーツを実施する機会を提供し、テレワーク時は休憩時間や就業時間後に気軽に出来るオンラインフィットネスを提供するなど、さまざまな働き方に応じた運動の機会を提示する予定だ。