リグアは10月26日、宇宙航空研究開発機構(JAXA)のスタートアップとして認定されている天地人との業務提携を開始し、リグアの連結子会社であるIFMC.(イフミック)が取り扱う環境芝「D-REY turf」の表面温度の上昇抑制効果について、天地人が持つ地球観測衛星からの宇宙ビッグデータや土地評価エンジンを最大限に活用し、ヒートアイランド現象をはじめとする社会課題の解決に向けた効果検証を実施することを発表した。
D-REY turfは充填剤には天然樹皮を独自ブレンドして配合加工した「D-REY chip」と光触媒抗菌砂「D-REY sand」を使用しており、人工芝の表面温度の上昇抑制や防臭・除菌効果が期待できる人工芝だという。また、パイル(芝)部分に特殊加工を施すことで、バランス能力向上による怪我リスクの低減や血行促進による身体の疲労回復効果を高めることも期待できるとしている。
社名でもあるIFMC.は、テイコク製薬社が温泉療法に着眼して製造したナノメーターレベルの微小なミネラルの結晶体(集積機能性ミネラル結晶体)のことで、数種類の鉱物を組み合わせて鉄分の多い温泉水に一定時間浸漬し、その溶出液を特殊処理して抽出した物質だという。D-REY turfはこのIFMC.の加工が施されていることなどにより、歩行や運動時の、バランス感覚の向上・パフォーマンスの向上などの効果が期待できるという。
一方の天地人は、宇宙ビッグデータを活用して土地の価値を明らかにしていくことを目的としており、JAXAの知的財産や知見を利用して事業を行えるJAXAスタートアップとして認定されている。JAXAに加え、NASA、ESAなどの国内外の宇宙機関による地球観測衛星や宇宙関連企業との幅広いネットワークを駆使して、地表面温度、降水量、CO2、NO2など、さまざまなデータをもとにした、有料の土地評価サービス「天地人コンパス」などを提供している。
近年、人工的な構造物や排熱などの人間活動が原因で、都市の気温が周囲よりも高くなるヒートアイランド現象が顕著になりつつあり、熱中症などの健康への被害や感染症を媒介する蚊の越冬といった生態系の変化など、都市部の生活環境の悪化が懸念されている。こうした背景を踏まえ、リグア/IFMC.は今回、天地人の協力を得て、地球観測衛星からの宇宙ビッグデータや土地評価エンジンを最大限に活かし、D-REY turfの敷設した後のピッチ表面温度について、その温度上昇抑制効果の検証を行っていくとしている。