マクニカ クラビス カンパニーは10月27日、ビデオ分析ソリューションを提供する豪icetanaへ出資し、日本での独占販売権を獲得したと発表した。これにより販売戦略や新たな技術開発での連携を強化し、AI(人工知能)画像解析技術を活用した異常やその予兆を防犯カメラ映像から発見する異常検知ソフトウェアである「icetana(アイセタナ)」 を用いて、施設警備における課題解決に注力していく。
同社が販売戦略と技術開発をさらに推進させるという新製品は、カメラごとに画素の動きの傾向を常に学習し、通常と異なる映像のみを検知できる。
監視員は、同製品により検知した映像のみの確認に集中できるため、多数の監視カメラ映像から効率的に異常を発見し、迅速に対応可能になるという。これにより、警備の品質向上や最適化を実現できるとしている。
国内の大手ディベロッパーでも採用が進んでいるといい、三菱地所が所有・運営する東京・丸の内エリアの丸の内ビルディングや新丸の内ビルディング、大手町ビルディングなどで同製品を使用した警備体制の構築が加速しているとのことだ。
同製品は、検知する対象が人や物ではなく画素の集合で検知するため、火災、侵入、逆走、転倒、集団など、多様な場面に対応可能という。また通常状態を常に学習し、その差分から異常を検知できるため、検知したい対象の変更や環境変化などへ自動で適応し、運用の手間を最小限化するとのこと。
さらに、現在利用中のカメラをそのまま使用できるため、導入コストを抑制でき、大規模な工事などは必要なく短期間で導入可能としている。同社は同製品のソフトウェアとしての提供に加え、導入効果の試算や現場運用への適用など、ユーザー企業が期待する成果を得られるまでサポートするという。
具体的には、現場調査から必要なシステムを選定し機材の調達・構築まで実施、省人化・品質向上を実現するための最適な警備オペレーションの提案、導入効果の試算と実証実験などを挙げる。また、今回の出資と販売契約の締結により、日本に加え、ブラジルでの独占販売権とヨーロッパにおける優先販売権を獲得したとのこと。
これをきっかけにより幅広いパートナー企業と協業し、空港や物流施設、スマートシティなど警備に課題を持つ施設への展開を促進し安全安心な社会の実現に貢献するという。