日本オラクル、北海道富良野市、北海道大学の3者は10月27日、富良野市のスマートシティ推進への施策を共同で立案することを目的として、「北海道富良野市のスマートシティ推進に関する産官学連携にかかる協定」を結んだと発表した。
3者は2021年度から、「北海道大学博士課程DX教育プログラム 北海道富良野市のスマートシティ推進支援」プロジェクトに取り組んできた。同プロジェクトでは、富良野市から提示された課題に対して、オラクルのクラウドサービスを活用し、北海道大学の博士課程の学生がデータ分析および可視化を通して、施策の提案を行った。
そして、富良野市は施策案を参考に実証実験の検討を行うなど、富良野市のスマートシティの推進を産官学連携により進めてきた。2022年度においても、富良野市の新たな課題について取り組みを進めており、継続的な実施を含めた相互の連携による今後の発展を目指し、今回、産学官連携協定の締結に至ったとしている。
今回の提携により、3者は「富良野市民の省エネ行動変容によるカーボンニュートラルの促進」と、「富良野スキー場の若年層の顧客開拓」の2つの課題に取り組む。そのために、富良野市が抱える地域課題の把握および課題解決のために必要なデータ、情報の提供に関する事項、北海道大学のデジタル技術の活用およびデータ分析に係る技能向上のための教育に関する事項、日本オラクルのクラウドサービスを活用した施策の提案に関する事項について、3者は連携する。
大学院学生が研究者目線で参画することに加え、オラクルのクラウドサービスの提供を通じた 取り組みにより他の研究分野との融合、地域の方々との交流による多様な視点でのアイデアの創出など、3者それぞれの立場でのスキルアップにつながる協定だとしている。なお、同協定の有効期限は締結日から3年間とし、3者から解約の申し出がなければ、同一内容で1年間ごとに更新していく考え。
北海道富良野市 市長の北猛俊氏は、「地方における『不便、不利、不安』といわれる社会的課題はデジタルの技術を使って解決する必要がある。ICTを活用し、行政事務の効率化と市民の利便性向上に向けた取り組みを進めていく」と同協定に期待を寄せていた。