2022年10月18日から21日まで幕張メッセにて開催された「CEATEC 2022」で、アルプスアルパインは、「CEATEC AWARD 2022」のキーテクノロジー部門で準グランプリを受賞した、ステルス空中インタフェースなどを展示した。
CEATEC AWARD準グランプリのステルス空中インタフェース
アルプスアルパインが展示したステルス空中インタフェースは、文字やアイコンを空中に浮かぶように表示させ、それらを空中でタッチすることで操作できる非接触操作デバイスだ。同社のブースには同製品の体験コーナーが設置され、ブース内ステージでのプレゼンテーションも行われた。
同技術は、視野角の広さを強みの1つとしている。デバイスの正面に限らず、横からでもアイコンを立体的に感じることができ、また複数人が同時に見ても立体性を保つとする。加えて、インタフェース表面の模様に左右されない見やすさも強みとのことで、タイルや木目などのデザインを崩さず空間に溶け込むことができるとのことだ。
体験コーナーに用意された製品は、手をかざして横に動かすだけでオン・オフを切り替えることが可能で、非接触で起動して操作を開始し、非使用時にも触れることなく機能を終了できる仕様。技術の活用範囲は幅広いといい、非接触操作へのニーズが大きい病院や公共施設、また住居内では、キッチンやトイレなど衛生面での配慮が必要な場所での適用が想定される。
アルプスアルパインのブース担当者は「通信網の発展によって、生活のあらゆる場面で情報機器が必要になっていく」という見通しの上で、「情報機器が多ければ多いほど、そのインタフェースはシンプルかつ直感的であるべきだ」と語る。またそれと同時に、情報機器が生活を豊かにするものであるためには「我々の生活に自然に溶け込む見た目であることも重要」と話した。
子ども置き去り検知センサや「HAPTIC」も展示
アルプスアルパインはこのほかにも、電子部品やセンサ技術、およびそれらを組み合わせたモジュールなど、幅広い内容の展示を行った。
近年注目が集まる子どもの車内置き去り事故防止ソリューションとしては、パルス式レーダを活用した子ども置き去り検知センサを紹介。呼吸の動きを再現した乳児のマネキンを用い、呼吸によるわずかな動きを検知する様子が実演された。
また、同社のさまざまな技術を活用することで開発された、あらゆる感触を再現する技術「HAPTIC(ハプティック)」も展示された。ダイヤルを回す操作の中で、その感触を変化させる同技術の紹介ブースでは、大玉を押しながら数種類の路面を通るアニメーションに合わせてダイヤル操作の感触が変化する様子が体験できた。同技術は、ゲームなどのエンターテインメント領域に加え、すでに採用されている車載領域など、幅広く適用が可能とのことだ。
ブース担当者は、アルプスアルパインのコンセプトとして「豊富な製品バラエティ」を挙げる。2019年にアルプス電気とアルパインが経営統合して生まれた同社について、「アルプス電気が強みを持っていたインプット領域と、アウトプット製品を提供してきたアルパインの技術に加え、その両方を融合したシステムも提供することで、幅広く社会のニーズに応えていく」と語った。