NTTドコモと英Vodafone Group Plc(以下、ボーダフォン)は10月25日、オープンな無線アクセスネットワーク(オープンRAN)を推進するための協業に向け協力することに合意したと発表した。協力を通じて、両社は世界中の通信事業者や通信機器ベンダーに対してオープンRANの知見を提供し、柔軟かつ拡張性の高い通信ネットワークの実現に貢献するとしている。
締結した基本合意書に基づき、両社はオープンRANの技術検証における共通のテストスクリプトの構築をめざすという。両社がそれぞれの専門知識や技術を持ち寄り、接続仕様、試験基準、試験プロセスなどを統一することで、オープンRANの採用を検討する通信事業者や通信機器ベンターが技術検証を行う際の時間やコストの削減に寄与するとしている。
また、両社はオープンRANの運用効率化においても連携し、通信ネットワークの監視や保守を行うシステムを構成するSMO(Service Management and Orchestrator)・RIC(RAN Intelligent Controller)の効果の最大化を目的に、関連するシステム構成を両社で定義することをめざす。
人工知能や機械学習、自動化など各種技術を効率化して通信事業者の総所有コスト(TCO)の低減に取り組むことや、報告書(ホワイトペーパー)の共同発行も視野に入れるという。
さらに、横須賀市にあるドコモのオープンRAN検証環境である「シェアドオープンラボ」と、ボーダフォンの英国ニューベリーにある「オープンRAN研究開発センター」の機能を補完するために、互いの検証施設を遠隔接続する検討にも合意している。ボーダフォンの試算によると、検証施設を相互に遠隔接続することで、業界全体で最大40%の検証コストが削減できるという。