三井物産と三井不動産は10月25日、Otemachi One(東京都 千代田区)に緑地空間「Otemachi One Garden」を12月16日にオープンすることを発表した。なお、Otemachi One Gardenのオープンにより両社による複合開発「Otemachi One」が完成するとのことだ。
2020年2月に竣工したOtemachi Oneが備えるオフィスやホール、ホテル、飲食店、ランニングステーションなどの機能に、今回Otemachi One Gardenが加わることで、都心で働くだけでなく賑わいや憩いが生まれる場所としての機能が追加される。オフィスワーカーなどの利用者にとってはより豊かでイノベーティブな場となり、地域にとってはサステナブルな緑地空間となることが期待できるとのことだ。
Otemachi One Gardenは皇居周辺の緑地との連続性により、同地域内における緑のネットワーク形成と豊かな緑地空間の創出に貢献にも資するという。都心におけるクールスポットの形成やカーボンニュートラル、生物多様性など環境への寄与も期待される。
緑地空間は6000平方メートル規模となるようだ。また、そのうち芝生広場を中心とした約3000平方メートルほどがイベントスペースとなり、大手町エリアにおけるイベント対応型の広場空間を提供する。
Otemachi One Gardenは「インペリアルフォレスト」「サクセッションフォレスト」「フラワーガーデン」「シェードガーデン・ウォーターガーデン」「インペリアルグリーン」「ENGAWAテラス」「ゲートウェイプラザ」の7つのゾーンからなり、季節の移り変わりを身近に感じながらの食事や、木陰でのビジネスミーティング、芝生広場でのイベントなどが可能だ。
Otemachi One Gardenが有する約6000平方メートルの大規模な緑地空間は、地表面の温度上昇抑制に効果があると考えられる。群植する約300本の中・高木と約6600本の低木は、年間11トンの二酸化炭素を固定すると試算されているようだ。また、水辺には皇居周辺に生息する昆虫や水鳥などの生息域拡充に寄与する水生動物が生息できる場を設けている。
さらに、Otemachi One Gardenでは東京都帰宅困難者対策条例に基づく災害時の帰宅困難者のための「一時滞在施設」としての利用も想定しており、安全な滞留空間として機能する約3000平方メートルの一時滞留スペースとしても利用可能だ。防災井戸の整備と浄化施設の併設などにより、災害時の飲料水供給も可能。