長野県塩尻市、ネットワンシステムズ、PHONE APPLIの3者は10月24日、2021年5月に策定・2022年6月に改訂した「塩尻市 デジタル・トランスフォーメーション戦略(塩尻市DX戦略)」に沿って、「クラウド電話システム」の実証実験を行ったと発表した。

  • 実証実験の概要

塩尻市DX戦略の柱として掲げる行政DXにおいて、デジタル技術による新たな行政サービスモデルの構築や働き方の抜本的な改革により、住民の多様なライフスタイルに寄り添える地域社会の実現を目指しているという。

その中で、テレワークなどの働き方改革や、緊急対応時の情報共有効率化のため、塩尻型のBYODの検討を含めた、現状の内線電話の形態から変革し、働く場所の制約を受けない新しい音声通話形態の研究を進めているとのこと。

今回の実証実験では、クラウドを利用し外出先や自宅からでもBYOD(個人が私物として所有する機器)のスマートフォンを利用することで、庁舎内と同様の音声コミュニケーションが実現でき、品質や操作性などによる利用者への負担やセキュリティ低下の懸念が無いことを確認したとしている。

シスコシステムズのクラウドPBX(電話交換機)である「Webex Calling」と、PHONE APPLIのクラウドWeb電話帳である「PHONE APPLI PEOPLE」を組み合わせることで、セキュアなWeb電話帳に格納した職員および外部の連絡先情報を基に、Webex Callingの発信・着信を実現したとのこと。

着信時にはクラウド上に保管した発信者の情報を表示可能なため、働く場所を問わずに、職員の保有するBYODのスマートフォンを利用した音声コミュニケーション環境を実現でき、塩尻市DX戦略にも寄与しているという。

塩尻市は、これらの効果を基に新しい電話システムの検討を進めることでスマート自治体を実現し、住民サービスの向上に繋げていく予定だ。