パナソニック コネクトは10月24日、自治体や金融、流通・物流業界などでの本人確認業務の効率化を支援するマイナンバーカードに対応した「本人確認用 顔認証カードリーダー開発キット」の発売を開始すると発表した。
同開発キットは、カードリーダーにマイナンバーカードを置き、カメラで顔認証をすることで厳格かつ簡単に本人確認ができるという。また、本人の同意を得た上で個人情報の基本四情報(氏名・生年月日・住所・性別)をコンピュータに取り込み、業務システムとの連携が可能。本人確認書類をコピーして紙で残す業務などが不要になる。
メガネやマスク着用時でも照合可能で、顔画像と本人確認書類の二要素を活用して本人確認を厳格化することができる。また、マイナンバーカードのICチップ内の顔写真データとの1対1の照合なので、新たな顔写真の登録が不要。端末本体内に顔画像のデータは保存されないので個人情報の保護を徹底できる。
同社は、企業およびシステム開発に携わるパートナー企業に同開発キットを実際に利用してもらい、各企業の用途に応じて共に開発していくとしている。例えば、自治体窓口・金融機関での本人確認業務や避難所における安否確認、商品やサービスの利用時における年齢確認、物流現場においての年末年始など繁忙期に一時的に多くのアルバイトを雇う際の本人確認業務などに活用していく。
同社は2020年に全国の医療機関・薬局向け「顔認証付きカードリーダー(マイナンバーカード対応)」を発表し、オンライン資格確認の端末として2022年9月時点で約10万台以上採用されているという。今後、マイナンバーカードに加えて運転免許証への対応や、企業の受付端末や専用装置などへの組み込みが容易なモジュール型タイプも提供予定していく予定だ。
政府主導のデジタル改革が進み、犯罪収益移転防止法、携帯電話不正利用防止法、古物営業法などの法改正によって、対面を原則としないオンラインでの本人確認が可能となり、金融業界をはじめ多くの業界で導入が進んでいる。
一方で受付などの現場では、いまだ対面による本人確認が中心で、本人確認書類と顔を見比べ、記載されている基本四情報を業務システムに手入力、本人確認書類のコピーを残すなど、多くの手間がかかり、ヒューマンエラーが発生する可能性もある。医療業界では、健康保険証としてのマイナンバーカード利用が開始されており、2024年秋には保険証が廃止されマイナンバーカードに一本化されるなど、今後あらゆる業界でマイナンバーカードを活用した本人確認が加速することが見込まれているという。