NECは10月24日、ヒアラブルデバイスで、建設業や製造業の高所作業の危険を予防する「高所作業検知ソリューション」の販売を同日から開始したことを発表した。
ヒアラブルデバイスとは、イヤホンに類似したマイク一体型のスマートデバイスで、マイクとスピーカーに加え、頭の動きを常時検出が可能なモーションセンサを搭載しているもの。そのため、作業者の状態をリアルタイムにモニタリングし、作業状況の把握に加え、作業者の転倒等も即時に把握することができる。こうした特徴から、音声コミュニケーションによる現場作業の効率化や、耳音響認識技術を用いた本人特定による作業者のなりすまし防止といったきめ細やかな管理を実現するという。
「高所作業検知ソリューション」は、ヒアラブルデバイスを装着し、スマートフォンを所持した作業者が、電柱や梯子への昇り動作等を行うと、クラウド上の「NEC ヒアラブルPF」に搭載した独自AIモデルが高所作業を検知し、作業者や作業管理者へアラートを自動通知するシステム。「ヒアラブルPF」は、ヒアラブルデバイスと連携し耳音響認証やセンシングデータの蓄積、装着者の状態・異変検知を行うことが可能なクラウド基盤だ。
同ソリューションにより、作業者本人には作業中の注意を喚起し、また、作業管理者には事前に許可を得ていない作業者の不安全行動を把握することを促す。
近年、建設業や製造業などの現場作業では、「労働人口の減少」「労働災害」「健康障害」などの課題から、ICTを活用した業務効率化と、より安全・安心な労働環境の提供が求められており、特に労働災害における高所作業中の転落事後は依然として発生しており、死亡災害に直接繋がることから、対策、改善が急務な状況があるという。
これらの背景を受けて、同社では建設業、製造業における高所作業中の事故に対するソリューションとして、ヒアラブルデバイスを中心としたセンシングソリューションを開発したのだという。