トヨタシステムズと富士通はこれまで、トヨタ自動車に対して富士通の量子インスパイアード技術「デジタルアニーラ」を活用して、膨大な組み合わせが生じる自動車の生産順序の最適化を目指した取り組みを進めていた。両社は10月21日に、トヨタ自動車の堤工場で新たな車両生産指示システムの稼働を開始したことを発表した。
今回の新たな車両生産指示システムは、生産現場で培われた業務知見と富士通研究所の定式化技術を組み合わせて、実業務における複雑な制約条件を式で表し、デジアルアニーラの独自技術である制約処理技術を用いて解を求める仕組みだという。
このシステムを稼働することで、トヨタ自動車は生産変動に対する迅速な対応や作業者の負荷軽減が見込めるようになる。トヨタシステムズと富士通は今後について、同システムのトヨタ自動車の国内他工場への展開や、将来的には海外工場への展開も目指すとのことだ。
トヨタシステムズは、今回蓄積した技術をもとにIT領域からトヨタ自動車のビジネス変革を支援し、安心安全で快適なモビリティ社会の実現を目指すとしている。