半導体製造装置メーカーのサムコは、SiCやGaNを材料とした次世代パワー半導体デバイスにおけるゲート酸化膜形成の研究開発向けとして100~200mmウェハ対応枚葉式プラズマALD(原子層堆積)装置「AD-800LP」を開発、販売を開始したことを発表した。

  • サムコが開発したSiC/GaNパワー半導体研究開発用プラズマALD装置

    サムコが開発したSiC/GaNパワー半導体研究開発用プラズマALD装置

同装置は、従来の熱による成膜だけでなく、プラズマ生成機構を追加することでさまざまな条件での多様な成膜を可能とした多目的に使える研究開発装置という位置づけ。2015年に販売を開始した熱ALD装置を改良して、自社開発した独自のトルネードICP方式を採用することでプラズマ生成を可能にしたという。

ALD装置は、Si半導体以外の電子デバイス分野でも市場拡大が進んでおり、仏Yole Groupによると、Si半導体以外の基板向けALD市場は今後年平均12%で成長し、2026年には6.8億ドルにまで拡大する見込みだという。中でもSiCやGaNパワーデバイスのゲート酸化膜形成用途は、長期的に拡大していくとサムコでは予想を示している。

なお同社では今後に向けて、生産用の真空カセット対応や複数反応室を接続可能なクラスター対応装置の開発も検討しているとしている。