日立製作所は11月1日に、企業の経営やビジネスの根幹を支えるエンタープライズ・システムにおいて開発スピードや柔軟性・拡張性に優れたマイクロサービスの導入を加速するという新たな開発基盤を提供開始する。
マイクロサービスは、システムを複数のサービスに分割し、サービス間を疎結合に連携させることで、サービスの素早い変更・追加を可能とした、変化に強いシステム・アーキテクチャ。
今回同社は、2021年7月に同社が買収完了し、アジャイル開発やクラウドを駆使した開発を得意とするという米GlobalLogicが用いているマイクロサービスのフレームワークを日本向けに整備・強化した「Hitachi Microservices Platform」と、国内の大規模プロジェクトへのマイクロサービスの適用を支援する開発ツールである「Justwareマイクロサービスフレームワーク」を、新たに提供開始する。
グローバルで多くの実績を持つというGlobalLogicのフレームワークを中核に、国内で培った開発ノウハウを融合した新しい開発基盤として、日立が受託するプロジェクトに適用する他、自社で開発する企業にも幅広く提供する。
同開発基盤の利用により、難易度の高いマイクロサービスの共通機能の作り込みを簡素化し、マイクロサービスに精通していない技術者でもスピーディーな開発が可能とのこと。
これにより、大規模プロジェクトへの適用の障壁となっている技術者不足の課題を解決し、エンタープライズ・レベルでのアジリティ(機敏性)向上に取り組む企業に対し、システムのモダナイゼーションを加速し、ユーザー企業のDX(デジタル・トランスフォーメーション)推進をサポートするとしている。
ミッション・クリティカルなシステムのマイクロサービス化については、同社のクラウド・エンジニアがトータルでサポートするという。
エンタープライズ向けのアプリケーション実行基盤である「uCosminexus Application Runtime」や関連サービスなどを組み合わせることで、導入コンサルティングから開発・実行環境の構築・運用に至るまでワンストップで支援し、ユーザー企業のシステムの信頼性を維持しながらアジリティの向上を実現するとのこと。
今後同社は、同開発基盤において分散データ管理といった新機能を開発・拡充するなど、ミッション・クリティカルなシステムへの適用に向けた取り組みをさらに強化する。
また、拡大する国内DX市場において、2022年4月に設立したGlobalLogic Japanを通じて提供するGlobalLogicのエクスペリエンス・デザインやデジタル・エンジニアリングを始め、Lumadaを活用した新たな価値創出に取り組み、国内のユーザー企業のDX推進を加速していく考えだ。