工学院大学は10月18日、イオン電導度がより低い有機・無機ハイブリッド固相電解質を用いた透明薄膜太陽電池を開発したことを発表した。
同成果は、工学院大 応用物理学科の永井裕己准教授らの研究チームによるもの。10月31日までオンライン開催中の「イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online」にて公開中だという。
水素社会へ移行するには、水素をいかに安価に製造できるかがポイントとなる。現状、太陽光発電に代表される再生可能エネルギーを用いて水から水素生成を行う方向で研究開発が進んでいる。永井准教授らは2018年から太陽光発電による水素製造の研究を続けており、その成果として、今回、イオン電導度がより低い有機・無機ハイブリッド固相電解質を用いた透明薄膜太陽電池が公開された。
有機・無機ハイブリッド固相電解質は、化学的湿式法の一種で、工学院大で開発された「分子プレカーサー法」により、金属含有のコーティング溶液を塗布・熱処理することで製造することが可能であるという。
今回開発された透明薄膜太陽電池は、その名の通りに透明かつ薄膜であるため、住宅やビルなどの窓に利用すれば、屋内に光を通すと同時に、水の光分解を行うことで水素(および酸素)の製造が可能と見込まれている。