IDC Japanは10月19日、SDN(Software-Defined Network)を始めとするネットワーク仮想化/自動化の主要構成要素である国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場に関する2021年のベンダーシェアを発表した。これによると、上位2社で同市場の70%近いシェアを占めたという。
技術的成熟と顧客における一定程度の受容と共に、同市場は安定した成長市場になっているとのこと。
こうしたネットワーク仮想化/自動化技術の定着と成長を牽引してきたVMwareとシスコシステムズは、2021年はいずれもプラス成長を達成し、両社で同市場シェアの70近くを占めている。
VMwareは、データセンターでオーバーレイ・ネットワークを構築する代表的な手法/製品としての「VMware NSX-T」を擁し、VMwareの仮想化環境を構築しているユーザーを中心に高い支持を集めているとのこと。
国内ネットワーク仮想化/自動化プラットフォーム市場全体およびデータセンター・ネットワーク向け、さらには提供形態別で分類したNVO(Network Virtualization Overlay)ソフトウェア市場においても首位を維持しているという。同社のNVOソフトウェア市場における2021年のシェアは74.5%に達した。
シスコシステムズは、データセンターと企業ネットワークのいずれにおいても、ネットワーク仮想化/自動化のリーディング・ベンダーだという。
データセンター・ネットワークでは、運用管理の一元化を実現する「Cisco Nexus Dashboard」の投入とソリューション強化が、データセンター・ネットワーク・ソリューションの競争力をいっそう高めているとIDCは見る。
企業ネットワークでも、無線LANを中心にトラブルシューティングや運用を支援するアシュアランス機能を目的とした「Cisco DNA Center」の導入が、特に売上増加に寄与したといい、その結果、コントローラ・アプライアンスにおける市場シェアは85%を超えた。
着実な成長を遂げてきた同市場だが、IDCのコミュニケーションズ/ITサービス グループディレクターである草野賢一氏は、「ネットワーク仮想化/自動化に関する製品は重要な技術として定着する一方で、顧客の関心を呼ぶ新たなテクノロジーという側面は薄れている。こうした市場の変化に応じてベンダーは、戦略のアップデートに当たって、ネットワーク全体の将来像と製品戦略を描く必要がある」と述べている。