KPMG FASはこのほど、 国内の上場企業を対象に実施した企業の不正に関する実態調査の結果をまとめたレポート「Fraud Survey日本企業の不正に関する実態調査2022」を発表した。
調査対象の企業は2022年3月18日時点の全上場企業3,873社であり、回答数は578社。
直近3年間で、上場企業において不正が発生している割合は4社に1社となり、 前回調査と比較して減少した。コロナ禍により出張や会食の場が減り、 旅費や交際の不正使用の機会が減った可能性はある一方で、 コロナ禍により現場に赴いた監査(往査)や現場指導が著しく減ったため、 不正の発見が困難になっているとの意見も少なくないとのことだ。
発生した不正の内容は着服または横流しが最も多く、 前回調査と同様の傾向であることが明らかになった。そのほか、会計不正やキックバックの受領も確認されている。
新型コロナの発生前後で不正リスクが増大したと回答した企業では、 対面の減少による牽制機能の低下や内部監査の質の低下に不安を抱く傾向が見られたとのことだ。
今後注力していきたい施策としては、 行動規範等の整備やグループガバナンスの高度化に高い関心が寄せられているという。