Space.comは10月15日(米国時間)、「Europe plans to launch a quantum encryption satellite in 2024|Space」において、ヨーロッパにて2024年に「Eagle-1」と呼ばれる、量子鍵配送システムの可能性を実証する衛星が打ち上げられると伝えた。「Eagle-1」は安全な量子暗号化通信に関する技術の検証に使われるとされており、欧州における安全な通信技術の確立に利用されるものとみられている。
欧州宇宙機関(ESA: European Space Agency)は「ESA - Quantum encryption to boost European autonomy」において、Eagle-1が地球低軌道から地上までの量子キー配信技術の実証および検証に使われるという。欧州連合(EU: European Union)内で量子力学の原理を使用し、盗聴の試みが即座に検出可能な方法で暗号鍵を配布する技術の実現可能性を検証するとしている。
検証成果は欧州量子通信インフラストラクチャ(EuroQCI: European Quantum Communication Infrastructure)を開発するための基本データとして活用される見通し。欧州はこうした取り組みを通じて、主権的で自律的な国境を超えた安全な量子通信ネットワークを整備することができるようになると説明している。
量子暗号技術の開発研究や実用へ向けた実証実験は各国が取り組みを進めている。Space.comは、すでに中国は2016年にMicius (墨子)という量子通信衛星を打ち上げている点に言及している。