東急建設は10月17日、帝人と共同で、水素燃料電池を建設工事現場における電源として活用する実証実験を実施すると発表した。同実証実験は、渋谷駅周辺開発の建設工事現場で、2023年4月から開始する。
実証実験では、帝人が国内で販売する英国のIntelligent Energyが開発した水素燃料電池を使用する。1台あたりの重量が約10キログラムと軽量かつコンパクトであるため、携帯性に優れること、軽油・ガソリン発電機に比べて静粛性能に優れること、廃棄物が発生しないことを特徴としているという。
夜間建設の工事現場では、照明や警告板などの電気設備の利用のために電源が必要となるが、通電がなされていないケースが多く、一般的に軽油やガソリンを使用する発電機が用いられている。
しかし、軽油・ガソリン発電機は、CO2の排出をはじめ、騒音、振動、臭気などの問題があり、周辺住民の生活に支障をきたすことが課題となっている。
こうした中、同社は、建設工事現場における発電時のCO2排出量を低減させるため、早期から水素燃料電池の活用に着目して実用化に向けた検討を行ってきたとのことだ。