工学院大学は10月14日、自転車ペダリング時の精密な股関節負担の評価装置を開発したことを発表した。
同成果は、工学院大 工学部 機械システム工学科の桐山善守教授らの研究チームによるもの。詳細は、10月31日までオンライン開催中の「イノベーション・ジャパン2022~大学見本市&ビジネスマッチング~Online」にて公開中だという。
自転車において、搭乗者の主に上半身の体重を受け止め、殿部および大腿背面の柔軟な皮膚組織と接触する重要なパーツがサドルであり、自転車のグレードによって精度は異なるものの、乗りやすさや疲れにくさなどに影響するため、おおむね複雑な三次元曲面で構成された形状が採用されている。
ペダリング時におけるサドルにかかる荷重の分布や接触形状を計測することは、脚部の動きによって時々刻々と変化するため、容易ではないという。そうした中、今回開発された計測装置は、自転車のサドル部から殿部にかけて生じる力と荷重中心位置の大きさや方向を、左右別々に誤差2mmの精度で計測することが可能だとする。
同計測装置には複数の荷重センサが備えられており、それらを組み合わせることで、接触力の位置(サドル表面における接触中心位置)・大きさ・方向を検出できるようになっており、逆動力学解析と組み合わせることで、股関節に作用する力学負担をより正確に評価することができるという。
さらに、任意のサドルに対応可能で、かつ左右分割しているため、荷重ベクトルを三次元で計測でき、サドル上での荷重中心および左右の股関節(両側脚に対する負担)を別々に評価することも可能であり、研究チームでは、筋力トレーニングやリハビリテーションへの活用も見込まれるとしている。