2022年上半期のプリント基板売上高トップ10社の合計額は138億ドル

中国上海の独立系電子産業市場調査会社CINNO Researchによると、2022年上半期におけるプリント基板(PCB)メーカー上位10社の売上高は前年同期比17.5%増の約138億1000万ドルとなったという。

背景には、自動車用電子機器などの産業界からの強い需要があるという。国・地域別に上位10社を見ると、5社が台湾、中国と日本が2社、米国が1社という内訳になっている。売上高トップは台Zhending Technologyで、その売上高は同20.2%増の23億8000万ドル。また、もっとも高い成長率を示したのは同44.7%の中Xinxing Electronicsで、売上高も約23億1000万ドルとトップのZhendingに近づきつつあり、CINNOでは将来的に追いつく可能性は高いとみている。また、Xinxingは純利益でも同178.3%の8億1000万ドルと大きく伸ばし、もっとも高い利益を出したという。

このほか、トップ10社中で売上粗利益率がもっとも高かったのは台Nanya Circuitの38.1%で、粗利益は同103.5%増の4億ドルとなったという。

  • 2022年上半期の世界PCB企業売上高トップ10

    2022年上半期の世界PCB企業売上高トップ10(PCB事業の売上高のみをCINNOが集計) (出所:CINNO Research)

日本企業としては4位に日本メクトロン(NOKグループの100%子会社)、9位にイビデンがランクイン。しかし、上位10社中、日本メクトロンのみは売上総利益(粗利益)が前年同期比でマイナス成長になったという。背景には2022年3月以降続いている急激な円安によって、円建て原材料費の高騰の影響が大きいと見られる。世界的な需要増を背景に日本メクトロンも売上高のPCB製品売上高は同14.8%増と伸ばしたというが、粗利益は同5.6%減とマイナス成長となり、粗利益率も同3.3ポイント減の15.1%となり、トップ10社中でもPCB製品の利益率が低い部類に入っているという。

CINNO Researchでは、2022年は消費者向け製品の需要が弱含んでおり、それら向けのPCB製品の需要も弱い一方で、自動車向けなどの需要は依然として強く、PCB企業の収益面は、2022年下期もある程度は維持されるものとの見方を示している。また、米国FRBの金融引き締め政策により、素材価格、中でも銅の価格は下落傾向が続く可能性があるため、PCB企業各社のコスト面についても、2020年下期は改善が進むと予想されるともしている。