慶應義塾大学 SFC研究所と富士通は10月13日、共同研究拠点「トラステッド・インターネット・アーキテクチャ・ラボ」における研究の成果として、既存のインターネット層とアプリ / Web層の間に新しい階層「Endorsement Layer」を追加し、インターネット上のデータの確からしさを汎用的に確認可能とする「Trustable Internet」のコンセプトを策定し、そのホワイトペーパーを公開した。
Trustable Internetは、インターネット上のデータの確からしさを判断できるよう、発信者または第三者が元のデータの確からしさとして裏付け可能な情報を付加し、利用者との間で共有する層を追加することで、データの確からしさを確認できるようにするアプローチだという。
この構成は既存のインターネットに影響を与えず実現可能なため、利用者は従来通りにWebとアプリケーションを利用し、必要に応じてデータの確からしさの根拠となる情報を取得できる。
確からしさを判断する根拠となる付加情報は、生成者の名前や所属、資格、生成した機器、場所、日時などデータ生成時に人と機器が付与するものに加えて、専門家のような第三者によるデータの評価などデータ生成後に付与されるもの、センサーの計測値といったフィジカル空間から得られるものなどがある。
これらの付加情報をEndorsement Layerにグラフデータとして蓄積し、利用者がインターネット上のデータを閲覧する際にEndorsement Layerから付加情報を検索、または確認したり、確からしさを判断するために必要な情報をリクエストしたりすることで、利用者がデータの確からしさを判断可能になると考えられる。