Intelは10月10日(米国時間)、米国国防総省高等研究計画局(DARPA)の衛星間光通信実現に向けたプログラム「Space-Based Adaptive Communications Node(Space-BACN)」の第1段階計画に開発パートナーとして選ばれ、同プログラム向け半導体チップレットを開発することを発表した。
DARPAは多数の地球低軌道(LEO)衛星間の光通信を可能にすることで、地球上のどことでも光速でネットワークに接続できるようにし、ブロードバンドサービスやIoTの普及促進を図ることを目指している。
具体的なIntelの取り組みとしては、FPGA製品グループの専門家、アセンブリテスト技術開発(ATTD)部門のパッケージ技術者、およびインテルラボの研究者を結集させ、Space-BACN向け光モデムソリューションを開発するとしている。
なお、この実現に向けIntelでは、自社FPGA「Agilex」をベースに、EMIBとAdvanced Interface Bus(AIB)インタフェースを活用し、3種類の半導体チップレットの設計・製造を行い、それを1チップ(MCP:Multi-Chip Package)に統合するとしている。
開発予定の3種類のチップレットの概要は以下の通り。
- 最先端プロセスとなるIntel 3上のDSP/FECチップレット:低電力で高速なデジタル信号処理を可能にする。
- Intel 16上のデータコンバータ/TIA/ドライバチップレット:高速データコンバータ、TIA、およびドライバを統合するための高いFinFET RF信号処理を提供する。
- 買収手続き中のTower Semiconductorのシリコンフォトニックテクノロジに基づくフォトニックIC(PIC)チップレット:低損失導波路とオプションを提供し、自動化された大量のファイバー結合の統合とアセンブリを可能にする。
すでにIntelではこのプログラムのフェーズ1を開始済みとしており、14か月ほどかけて各チップレットの設計などを進め、フェーズ1を終えた後、18か月のフェーズ2に移行する予定としている。