アイ・オー・データは10月12日、ビジネス向けのNAS(Network Attached Storage)LAN DISKシリーズについて、保証サービスを一新するとして記者説明会を開いた。従来は3年間だった保証期間を5年に延長するほか、重度障害にも対応するデータ復旧を標準的に提供するという。
同社は従来では3年間の保証を標準として提供しており、5年間の保証を受けるためには追加のサービスなどに加入する必要があった。しかし今後は標準的に5年間の保証が受けられるようになる。一般的な減価償却やリースアップでのリプレイスの目安となる期間が5年間であることから、標準的な保証期間を延長したとのことだ。
保証内容としては従来と変わらず、保証期間内に製品に異常が見られた際に故障品をアイ・オー・データあてに送付し、修理および動作確認後に返却する、いわゆる「センドバックサービス」方式だ。
データ復旧サービスは、同社がこれまで有償サービスとして提供していた内容に近いものだという。対象製品が故障した場合に内部のデータ復旧を試みるサービスを添付する。期間は購入日から5年間で、1年ごとに1回まで、計5回までの対応が可能だ。その作業費用は合計150万円までで、ハードディスクの開封作業を伴うような重度の障害も含めて対象となる。
同サービスを利用するためには、管理サービスアプリ「NarSuS」または「LAN DISKコネクト」を利用し、さらに、RAID構成が同社の拡張ボリュームを採用しているか同社の外付けハードディスクなどでバックアップ設定を行っている必要がある。
これらのサービスの対象となるのは、ビジネス向けの2ドライブ以上を搭載したLAN DISKのZシリーズ(Windows搭載)、Hシリーズ(Linux搭載ハイエンドクラス)、Xシリーズ(Linux搭載ミドルクラス)、Aシリーズ(Linux搭載エントリークラス)の4シリーズ、計102製品だ。なお、SSD(Solid State Drive)搭載モデルは対象外。
アイ・オー・データは両サービスの提供に伴い、有償保守サービス「アイオー・セーフティ・サービス」についても提供内容を刷新する。提供するのはオンサイト保守である「訪問安心保守サービス」とデリバリー保守である「交換品お届け保守サービス」の2つ。
訪問安心保守サービスでは、製品故障時に交換部品や代品の送付と交換作業を行うスタッフの派遣を行う。利用者の環境で交換作業を行うため、迅速な復旧が見込めるとのことだ。従来の3年保守を廃止し、1年ごとに同一料金で更新可能な料金体系となっている。
一方の交換品お届け保守サービスは、製品故障時に最短で翌営業日に代品を送付するサービス。交換品を先出しするため、標準保証の内容をアップグレードするような使い方ができるようだ。
同社製品の特徴である「拡張ボリューム」は、2台のハードディスクを1組のペアとしてファイル単位でミラーリングする技術だ。同社によると、この技術によって5年間の長期保証を下支えしているという。
拡張ボリュームではデータを変調してハードディスクへ書き込むためハードディスクが同時に故障するリスクを低減できる上、リビルド時間が短く、拡張性にも優れる利点があるとのことだ。
アイ・オー・データの代表取締役社長である浜田尚則氏は、記者説明会の中で「近年は企業が保有するデータ量が増加し、データ保存の重要性も増す中で、今回のサービス刷新に至った」と振り返り、「これまでの業界の常識に縛られずに変化を生み出すことが重要と考えている。今後もお客様に優しいITを届けられるよう取り組んでいく」と語っていた。