WeWork Japanは10月12日、「コロナ禍長期化における働き方」に関する調査結果を発表した。これによると、スタートアップ従業員の6割以上がハイブリッドワークを実現しているという。
同調査は同社が、首都圏・関西圏・中京圏・宮城県・福岡県の主にオフィス内で勤務し従業員20人以上の企業に勤める20~60代の男女1400人(経営者・人事・総務700人、一般従業員700人、各層のうちWeWork利用者100人)を対象に、7月25日~7月27日(追加調査は9月8日・9日)にインターネットにより実施したもの。
所属先でハイブリッドワークが認められているか尋ねると、スタートアップ企業では62.1%が認められていると回答し、全体平均の56.1%を上回った。
ハイブリッドワークを認められていない回答者のうち、スタートアップでは52.8%が認めてほしいと回答している。
自身の働く時間や場所、働き方について裁量を持ちたいかとの質問には、スタートアップでは86.3%、全体平均では83.4%が持ちたいと回答した。
経営層の回答者に、従業員の働く時間や場所、働き方についてどの程度裁量を任せてよいと考えているかを尋ねると、計79.7%が全てまたは半分以上と回答し、全体平均の69.4%を10ポイント以上上回った。
週5日以上働く場合、何日程度オフィスで働きたいと思うか聞いたところ、スタートアップの従業員で毎日との回答は13.7%であり、全体平均、従業員数1000人未満、同1000人以上を下回る。なお、スタートアップの経営者層では20.3%であり、全体平均の30.3%を大きく下回る。
経営者・人事・総務の回答者に、自身の企業の成長にオフィス戦略が影響を与えると思うか尋ねると、スタートアップでは計67.8%が影響を与えると回答した。全体平均(計57.3%)を10ポイント強上回っており、スタートアップではオフィス戦略を重視する傾向があると同社は分析する。
従業員に働く上で重視する価値観を聞いたところ、スタートアップでは、ウェルビーイング(78.9%)、コラボレーション(70.5%)、オープン・イノベーション(57.9%)が全体平均を大きく上回る。
同じ質問を経営者・人事・総務の回答者にすると、スタートアップでは従業員とほぼ同じ傾向だった。
業務上の課題について、スタートアップの従業員は、精神面の負担・疲労(47.4%)、身体面の負担・疲労(29.5%)、社内外での偶発的な出会い・コミュニケーション機会の確保(20.0%)が全体平均より多い。
重要視する人事制度・施策を聞くと、スタートアップの従業員では25.3%が「優秀な人材確保のための取り組み」を挙げ、全体平均を10ポイント強上回る。
経営者などでは、スタートアップで「優秀な人材確保のための取り組み」を重要視するとの回答は13.6%に留まり、全体平均を10ポイント以上下回っている。スタートアップの回答はいずれの選択肢も全体平均を下回り、人事施策への意識や注力度が低い傾向があると同社は見る。
企業が成長するために必要な制度・取り組みを尋ねたところ、スタートアップの従業員ではDXの推進(28.4%)および企業風土・自社の伝統の重視・浸透(23.2%)が、全体平均よりも高い。
なおスタートアップの経営者層では、DXの推進は25.4%に留まっている。
経営者などに働く環境やツールの環境整備への取り組み状況を尋ねると、スタートアップでIT環境整備に取り組んでいるとの回答は33.9%に過ぎず、全体平均を大きく下回った。
今回の調査結果を受けて同社は、今後、政府や自治体が支援を加速してデジタル化を推進し、スタートアップの労働環境をさらに充実させることが必要だと提言する。