WordPress Tavernは10月6日(現地時間)、「WordPress.org Plugin Developers Demand Transparency Regarding the Removal of Active Install Growth Data」において、WordPress.orgのコントリビューターとWordPressプラグインの開発者の間でデータ公開に関するトラブルが発生していると報じた。9月末、WordPress.orgはプラグインのアクティブなインストール数の推移に関するデータをプラグインページから削除したが、プラグインの開発者からは、削除の理由の説明とデータの再公開を求める声が上がっているという。

もともとWordPress.orgの各プラグインページでは、アクティブインストール数の推移を可視化するグラフが表示されていたが、WordPress.orgのコントリビューターは2022年9月29日にこれを削除した。削除の理由は「データの難読化が不十分なため」とされている。

  • WordPress.orgのプラグインページからアクティブインストール数の推移データの表示を削除するチケット

    WordPress.orgのプラグインページからアクティブインストール数の推移データの表示を削除するチケット

この変更はプラグイン開発者の反発を呼び、グラフの公開を元に戻すように求めるチケットが起票された。開発者は、アクティブインストール数の推移のデータは時間の経過に伴うプラグインの成長や衰退を示す唯一の指標であり、特定の変更に対するユーザーの反応を見極めるための重要なデータと主張している。

このチケットに対するコメントで、コントリビューターの1人であるMatt Mullenweg氏は、データの公開を元に戻す理由を説明するように求めているが、もともとの削除された理由が明確でないことから開発者からは重ねて反発の声が上がった。プラグインの開発者はデータが削除された理由の説明を求めているが、Mullenweg氏は明確な回答は避け、これらのデータを取得するための公開用のAPIが作成されておらず、スクレイピングされたデータをリバースエンジニアリングしてグラフを作成していただけだと返答している。

プラグインの開発者は、データを削除するという決定がどのような経緯で行われたのか明確にされないことに大きな不満を抱いているようだ。WordPress Tavernは、複数のプラグイン開発者の主張を紹介した上で、この件に関する透明性の欠如がプラグインの配布チャンネルとしてのWordPress.orgに対する信頼を損ねていると指摘している。