近鉄不動産、東日本電信電話(以下、NTT東日本)、NTTアグリテクノロジーの3社は10月5日、近鉄不動産が運営する「近鉄ふぁーむ 花吉野」において1週間先のトマトの収穫量を予測する実証実験を開始することを発表した。実施期間は10月6日から翌年3月31日までの予定。

近鉄不動産は近鉄ふぁーむ 花吉野において、水分量をコントロールして糖度を高めたトマトなどの野菜を生産している。現在はトマトを出荷する際に取引先へ出荷予定日の1週間前に出荷量を通知する必要があり、栽培責任者がトマトの熟度状態に基づいてハウス全体の収穫量を予測し、通知しているという

しかし熟度状態による収穫量の予測は栽培責任者の経験に左右され、その上、気温や日照量などの環境要因の影響も受けることから、ハウス全体の収穫量を予測するのは困難で、収穫量の予測誤差による出荷時の欠品や廃棄ロスも問題となっている。

こうした課題の解決に向けて、NTT東日本およびNTTアグリテクノロジーのAI(Artificial Intelligence:人工知能)と動画解析技術を活用して、1週間先のトマトの収穫量の予測精度の向上を試みるようだ。複数取引先への出荷量の最適化や、効率的な作業人員の配置も期待できるという。

  • 実証実験の概要図

    実証実験の概要図