Interesting Engineeringは9月28日、「Netherlands researchers break the 30 percent barrier in solar cells」において、オランダにおいて発電効率が30%以上となる太陽電池が開発されたと伝えた。開発したのはアイントホーフェン工科大学(TU/e)をはじめとする複数の研究機関で形成された研究チームで、シリコンとペロブスカイトによるタンデム型デバイスに、接合技術や薄膜技術などを組み合わせることで高いエネルギー変換効率を実現したという。
通常、シリコンベースの太陽電池は可視光と赤外線に対して効率よく機能し、ペロブスカイトベースの太陽電池は可視光と紫外線に対して効率よく機能する。ペロブスカイトは近赤外線に対する高い透過性を持つため、これを組み合わせることで高い発電効率を実現することができる。研究チームが開発したのは4端子タンデムデバイスで、4端子の場合にはトップセルとボトムセルを独立して動作させることができるために、両面タンデムを使用できアーキテクチャの出力はさらに向上するという。
TU/eのプレスリリースによれば、研究チームは3x3平方mmの半透明ペロブスカイトセルの効率を最大19.7%に向上させたという。このセルの下に20×20平方mm幅のシリコンセルを配置すると、近赤外光の93%が下部のセルに到達する。その他の複合的な技術によってシリコンセルの効率は10.4%に向上し、両者を合わせて30.1%のエネルギー変換効率を実現した。
今後は、産業パートナーと協力して、この技術を利用した発電効率の高い太陽電池の大量生産に挑戦するとのことだ。