第2四半期の半導体市場はどうなった?
世界半導体市場統計(WSTS)によると、2022年第2四半期の半導体市場は前四半期比0.8%減となったという。また、半導体市場調査およびコンサルティング企業のSemiconductor Intelligenceによると、売り上げ上位15社の第2四半期の売上高合計は前四半期比1%減となり、WSTSが発表した結果とほぼ一致しているという。ただし、企業別で見ると各社まちまちで、SK HynixやMicron Technologyといったメモリ企業は、同四半期の売上高を前四半期比でそれぞれ13.6%増、11.0%増と大きく伸ばしたが、NVIDIAはゲーム関連の低迷により同19%減、IntelもPC市場の低迷で同16.5%減となっている。
2022年第3四半期の見通しは各社まちまち
また、2022年第3四半期の見通しも主力製品の違いにより各社まちまちとなっている。同四半期で成長が期待されているのは、主にアナログICとディスクリートを供給しているメーカー群で、特にSTMicroelectronicsは、自動車ならびに産業分野からの引き合いを背景に同10.5%増と、トップ15社中唯一の2桁%のプラス成長を見通している。STと事業内容が近いInfineon Technology、NXP Semiconductors、Analog Devices(ADI)も自動車および産業セグメントからの需要を背景にプラス成長見込んでいる。ちなみにADIの売上高は、Maximの買収効果もあり2022年第2四半期に初めて30億ドルを突破、トップ15入りを果たしている。
一方、第3四半期をマイナス成長と予測している中で、MediaTekとTexas Instruments(TI)は、その主な要因として、PCおよびスマートフォン(スマホ)市場の弱さを挙げている。NVIDIAは、ゲーム市場の弱さを挙げている。メモリ各社はMicronは同21%減と予測しているほか、Samsung、SK Hynixはガイダンスを発表していないが、Samsungは業績が悪化すること自体は認めている。
不透明な2023年の半導体市場
Semiconductor Intelligenceがまとめた、主要市場調査会社ならびに機関の2023年の半導体市場成長率予測は、IDCとWSTSが1桁台のプラス成長を予測している一方、GartnerとSemiconductor Intelligenceが1桁のマイナス成長、Future Horizonに至っては同22%減と悲観的な予測をしている。
Semiconductor Intelligenceの代表アナリストであるBill Jewell氏は「世界経済が現在の予想以上に弱体化しない場合、半導体市場は2023年後半には緩やかに回復するはずである。COVID-19関連のシャットダウンとそれに伴うサプライチェーンの混乱は、ほぼ解決され、従来の市場ドライバーであるスマホとPCは、通常の成長軌道に戻るはずである。一方、自動車やIoTなどの新規アプリケーションは今後の市場の推進力としてますます重要になる」としている。