The Registerは9月29日、「Wind, solar fulfill 10% of global electricity demand」において、風力発電と太陽光発電が2021年に初めて世界の電力需要の10%を満たしたという調査結果を伝えた。2021年に新たに建設された発電所のうち、全体の4分の3が風力発電と太陽光発電であり、これが発電量の増加に大きな役割を果たしたという。その一方で、石炭火力発電所の発電量と排出量も過去最高に達したことも伝えられている。
調査結果の詳細は、Bloomberg New Energy Fund (BNEF)による2022年版のPower Transition Trendsレポートで見ることができる。
レポートによると、2021年には世界全体で約27.3テラワットの電力が生産されたが、風力発電はそのうちの6.8%、太陽光は3.7%で、合わせて10.5%を占めたという。水力発電と原子力発電は全体の約4分の1を占めており、全体としては39%がカーボンフリーだったとのころだ。
自然エネルギーの割合が増える一方で、2018年以来減少傾向だった石炭火力発電による発電量が再び増加し、過去最高を記録したことも伝えられている。2021年の石炭火力発電の発電量は約9,600テラワットで、そのうちの85%以上が上位10か国で占められている。72%を占める上位3か国は中国、インド、アメリカだが、日本も4位でそれに続いている。
ロシアとウクライナの戦争によって天然ガスの供給が不安定になっており、石炭火力発電の増加傾向は今後も続く可能性が高いと予測されている。