NECは9月27日、トゥルーワイヤレス型ヒアラブルデバイスとクラウド基盤を組み合わせたヒアラブルソリューションを2022年10月から法人向けに発売すると発表した。同ソリューションは、デバイスとクラウド基盤利用をセットにしたサブスクリプション型(月単位、最小30ユーザで2年間からの契約)で提供する。サブスクリプションの月額料金(税別)は、1ユーザあたり3800円からとなる。

今回提供する法人向けソリューションでは、耳穴からの反響音特性で個人を特定する耳音響認証によるハンズフリーでの個人認証や、アクティブノイズキャンセリングと音声認識エンジンによる音声のテキスト化やシステムへの指示など、ワークスタイルのDX(デジタルトランスフォーメーション)につながる機能を提供する

  • 「ヒアラブルソリューション」の概要

    「ヒアラブルソリューション」の概要

ヒアラブルデバイスには、モーションセンサ、温度センサ(体表面温度)、着脱センサが搭載されており、各センサから得たデータをクラウド基盤上のソフトウェアで分析することで、装着者頭部の衝撃や活動状況の検出、体表面温度を基にした遠隔からの装着者の見守りも可能だ。

  • 各種センサによる遠隔からの見守りも可能だ

    各種センサによる遠隔からの見守りも可能だ

関連サービスとして、ヒアラブルデバイスとクラウド基盤を一時的に貸し出し、デバイスの装着感、音声、耳音響認証やセンサデータ分析などの機能を試せる「ヒアラブルお試しサービス」も提供する。同サービスの利用料金(税別)は、15万円(2カ月、5ユーザ)となる。

また、クラウド基盤やスマートフォン用SDK(Software Development Kit)を用いて、企業の要望に応じたヒアラブルデバイス活用ソリューションを同社が開発する「プロトタイプ開発サービス」も提供する。同サービスは個別見積もりとなる。

同社のヒアラブルデバイスは、2020年に「Makuake」を通じて一般消費者向けに販売開始したもので、アクティブノイズキャンセリングを行うための2つの集音マイクが、デバイスの内側と外側に搭載されている。外部の騒音の影響を受けにくい内側マイクでデバイス装着者の発話音声を取得する一方、外側マイクで発話音声に混入する騒音を取得し擬似騒音成分を用いて打ち消すことで、音声をクリアにすることができるという。