Lam Researchは、インドのバンガロールに、新たな拠点として「India Center for Engineering(インド工学センター)」を2022年9月15日付で開設したことを発表した。

同センターは、次世代の半導体技術の研究開発の推進に取り組んでいる世界の5つの最先端研究開発センターの1つとして位置付けられており、新施設は、次世代のDRAM、NAND、およびロジックプロセスに使用されるウェハ製造ハードウェアおよびソフトウェアの研究開発(R&D)、エンジニアリング、およびテストに重点を置き、同社の最先端技術の研究開発ラボのグローバルネットワークの一翼を担うという。

エンジニアリングとしては、プラズマおよび材料科学から人工知能ならびにソフトウェア制御まで、さまざまな分野にまたがる研究開発を行うとしている。具体的な例として、同社では最先端の設計および試験装置を活用して、新開発のデポジションおよびエッチング技術をほかのセンターに送ることなく、同センター内で設計からテスト、検証まで続けて行うことができるようになったことから、設計サイクルの短縮を可能にするとしている。また、親切ラボには、世界中の他のエンジニアとつながるためのVRに関する設備も備えているという。

  • Lam ResearchのIndia Center for Engineeringの外観イメージ

    Lam ResearchのIndia Center for Engineeringの外観イメージ (出所:Lam Research)

同社は、今回の新センターの開設以前からバンガロールにて2つの施設を運営しており、主にソフトウェアとハードウェアのエンジニアリング、および同社の世界的な製造業務のサポートを行ってきた。同社の社長兼CEOであるTim Archer(ティム・アーチャー)氏は、「この重要な施設は、Lamの研究開発事業の拡大であり、半導体製造の複雑さが増している時代に必要とされる新技術の創造において重要な役割を果たす。インドの顧客の課題を解決するために努力する」と述べている。

また、Lam Researchのインド法人のコーポレートVPであるRangesh Raghavan(レンジシュ・ラガヴァン)氏は、「インドで20年ほど前に最初の施設をオープンして以来、我々のエンジニアリングおよび運用チームの創意工夫と献身は、半導体技術の進歩を推進するのに役だった。この新施設の設立に尽力してくれたLam Research Indiaおよび世界中の社員に感謝する」とコメントを述べている。

なお、現在、インドには、世界中の半導体メーカーや製造装置メーカーが集結し、これまでの半導体設計に加え、半導体生産に向けた投資を模索し始めているほか、インフラの整備も進められつつあり、近い将来、半導体設計・製造分野で存在感を示す規模へと成長する可能性がある。