栗田工業と日立製作所(日立)は9月27日、製鉄所などの原料ヤード管理のDXに向けた協創を開始すると発表した。栗田工業が有する原料改質技術と、日立のドローン活用技術やAIによるデータ解析技術を掛け合わせ、新たなソリューションの開発を両社で推進していく。
具体的には、船から荷揚げし山積み保管する製鉄所の原料ヤードにおいて、ドローンに搭載した水分センサーにより原料パイル(山)ごとの水分を測定し、データを収集して広大な現場の状況を可視化する。
そして、関連する気象データと組み合わせてクラウド基盤上でAI解析を行い蒸発や降雨に伴う原料の水分変動を予測。原料の加工工程における影響を事前に把握できるようになることで、水分に起因するさまざまなリスクの管理を可能にする。
また、水分に起因するリスクを可視化することで、原料改質技術をタイムリーに適用することができ、製鉄所における生産性の向上や安全性の改善、さらには後段設備における燃料の使用量低減によるCO2排出量の削減にもつながるとしている。
両社は今後、同ソリューションの実用化に向け、原料の水分の変動を予測するアルゴリズムを共同で開発するとともに、国内の製鉄所を対象に実証を推進していく。将来的には、異なる業種への適用やグローバルへの展開も検討していく考えだ。