9月14日-9月16日、「ガートナー データ & アナリティクス サミット2022」がオンラインとリアルのハイブリッドで開催された。9月14日には、「京セラの挑戦、全社データ分析基盤導入による全員参加型データドリブン経営」と題するセッションが開催されたのでレポートする。
同社は、組織をアメーバと呼ばれる独立採算で運営する小集団に分け、その小さな小集団にリーダーを任命し、共同経営のような形で会社を経営している。同社には約3000のアメーバがあり、アメーバの時間あたりの採算の継続的な改善に加え、データ分析機能を強化し、新たなサービスや製品の創造などの改革を進めることで、企業の競争優位性を高めることが急務だったという。
さらに、基幹システムを再構築し、データベースを統一したことから、分析基盤の導入機運が高まってきたという。
そこで、同社はBIツールの「ThoughtSpot」の全社導入を決めた。同ツールを採用した理由としては、検索の処理スピードが早い、ユーザーではなく、容量に対する課金であったこと、操作性が簡単でセルフBIが利用しやすい点などがあったという。
「全社員が自分の責任範囲の数字を会社の幹部会と同じ視点で見られるようにしました。そのために、全社員のアカウント情報と全組織情を組み合わせて事業組織テーブルを持ちながら経営数字を結合させて見せるようにしている」(京セラ 経営管理本部 経営情報システム部 システムデザイン1課 上田童夢氏)
しかし、分析基盤を提供したからとすぐに使ってもらえるわけではないので、各部門責任者がみられる経営ダッシュボード(ライブボード)を提供した。ライフボードは、役職と組織に応じた9種類の標準ライブボードを、月2回配信したという。