TISインテックグループのTISは9月26日、地域医療情報連携サービス「ヘルスケアパスポート」について、サンリツの臨床検査結果を連携することを発表した。
今回の連携により、サンリツに臨床検査を依頼している診療所や病院がヘルスケアパスポートを導入することで、スマートフォンアプリを通じて検査を受診した患者に結果を提供できるようになるという。そのため、患者への検査値連携がスムーズに実施できるようになり、診療所や病院は事務負担の軽減が見込める。
また、ヘルスケアパスポートを使用している地域では、患者の同意のもとで、従来の基幹病院の医療情報に加えて衛生検査所の臨床検査データも地域の医療機関の間で共有できるようになる。これにより、多くの医療健康情報が一元化され、地域の医療機関を支える「地域医療情報連携」システムの高度化が狙える。今回の連携では千葉大学医学部附属病院を中心とした地域での医療機関および患者間の医療情報連携を目指すようだ。
ヘルスケアパスポートは、医療従事者間または医療従事者と生活者の医療情報共有を実現する、双方向型のPHR(Personal Health Record)基盤サービスだ。SaaS(Software as a Service)モデルで提供するため、地域医療連携に必要な基本機能を独自に運用する必要がなく、比較的低コストで利用を開始できるのが特徴。利用量に応じた課金型のため、地域の中核病院や小さな自治体などでのスモールスタートにも対応する。
また、厚生労働省が定めている医療機関データの蓄積・管理の標準的な交換フォーマットであるSS-MIX2標準化ストレージに準拠し、一般的な医療システムとの接続性も確保しているとのことだ。
ヘルスケアパスポートにより、生活者は自身の診察や処方内容、検査値といったカルテの情報をスマートフォンで確認できるようになる。医療従事者は生活者が登録するバイタルデータや他の医療機関での検査結果、処方内容から生活者の健康状態を閲覧できるようになる。さらに、施設にあるKIOSK端末で同意することで、遠隔地に住む家族とも情報が共有される仕組みだ。
TISとサンリツが連携したことで、検査が完了した日の最短翌日にヘルスケアパスポートの患者アプリに検査結果を表示可能となる。また、診療所や病院はヘルスケアパスポートから患者の検査結果を閲覧可能となる。また、調剤薬局では患者の同意のもと検査結果を閲覧でき、服薬指導に活用できるとのこと。