日本電気通信システムは9月21日、家畜の健康を重視したアニマルウェルフェアの向上と畜産効率化に向けたサービス「NECアニマルウェルフェアソリューション」を2023年秋から提供すると発表した。

このサービスでは、家畜の個体位置、個体に紐づく飼育状況や行動履歴のデータ化、OIE; World Organization for Animal Health(国際獣疫事務局)が定めたアニマルウェルフェアの基準に沿った飼育がされているかの自動的な評価が可能になるという。

  • NECアニマルウェルフェアソリューション

    NECアニマルウェルフェアソリューション

畜舎に設置したカメラやセンサで個体情報を取得し、情報参照や遠隔管理を可能にするほか、アニマルウェルフェア視点に立った飼育状況の管理、見える化を図り、家畜の行動把握を行うという。

また、収集した飼育履歴、個体情報管理データからアニマルウェルフェア評価項目を抽出し、評価基準に適合しているかの判定を自動的に行うという。これにより畜産物のブランディングを後押しするとともに、安全性、倫理性に対する意識の高い消費者に対しての商品購入への動機づけを支援するとしている。

ブロックチェーン技術を使い畜産物のトレーサビリティを担保するスマートコントラクトを提供することで、データ流通をオープンにし、利害関係のあるサプライチェーンにおいても平等性を確保、信頼性を担保。また、中央集権的ではない分散型の仕組みのため、参加したい人から順次参加できるのでスモールスタートが可能だという。

今後同社は、サービスの第1弾として2023年秋から、飼育畜舎内を自由に動き回る豚の個体識別やアニマルウェルフェア視点での飼育状況や行動履歴をデータ化し遠隔で管理可能とするソリューションを提供する。

同社のマーカー位置測位技術(対象となる物に貼付された目印:マーカーをカメラでとらえ、対象物の移動に併せて位置情報を把握する技術)あるいは、無線測位技術(前記を無線技術で実現)、3次元物体検知技術(3Dセンサでとらえた映像に映った物の大きさを測定する技術)を活用し、個体の位置測位・識別、状態把握を行うという。

他のソリューションは、2024年度にはすべて商用化する予定だという。