日立エナジーは9月20日、アメリカの再生可能エネルギー関連投資ファンドであるブラックストーンが出資するトランスミッション・デベロッパーズから、カナダのケベック州とアメリカのニューヨークを結ぶ高圧直流送電(HVDC)連系線「シャンプレーン・ハドソン・パワーエクスプレス」においてニューヨーク側に設置されるHVDC変換所を受注したと発表した。
シャンプレーン・ハドソン・パワーエクスプレスは、モントリオール郊外のハーテルから、シャンプレーン湖やハドソン川を経由し、ニューヨーク・クイーンズ区アストリアまでの600km超を、地中ケーブルおよび水中ケーブルで送電するHVDC連系線だ。
日立エナジーが今般受注したHVDC変換所は、同社の自励式HVDCシステム「HVDC Light」を用いたもので、送電容量はニューヨークの約100万世帯の電力需要に相当する最大1250MWとなる予定だという。
カナダの水力発電を中心とした再生可能エネルギーによる電力をニューヨークに送電し、化石燃料由来の電力と置き換えることで、年間平均約390万トンのCO2排出量削減が見込まれるとしている。これはニューヨークにおける乗用車の年間CO2排出量の約44%削減と同等の効果だといい、同地域が「気候リーダーシップと地域社会の保護に関する法律」において掲げる、2030年までに電力供給の70%を再生可能エネルギー発電で行うという目標達成への貢献が期待されるとのことだ。
また、同連系線の建設期間中には1400人以上の雇用が創出され、運転開始後30年間で、ニューヨーク州に約500億ドルの経済効果をもたらすことが期待されるという。
なお、今般のHVDC交換所の設置工事は、北米のエンジニアリング・建設会社のキーウィットが担当し、同社と日立エナジーで連携を行っていくとしている。