ソフトバンクは9月20日、中古車のサブスクリプションサービスを開始することを発表した。オンライン専門自動車小売業を展開するシンガポールのCarro(カーロ)と合弁会社「CARRO JAPAN株式会社」を設立。まずは日本国内の法人向けに提供を開始し、今後は個人のユーザーにも提供対象を拡大することを目指す。

昨今、日本の自動車市場は、半導体不足による生産台数の減少や価格の高騰などの課題を抱えており、納期が早く比較的安価な中古車の活用や、より手軽に利用できるサブスクリプションサービスへの需要が高まっている。

Carroは、ソフトバンクグループが運営するソフトバンク・ビジョン・ファンド(SVF)から出資を受けており、オンライン中古自動車小売業者としてアジア太平洋地域の5カ国で事業を展開している。

新会社のCARRO JAPANは、データを基に中古車の将来の価格の推移を高精度に予測するCarro独自の残価予測AI技術を活用する。具体的には、カーリース会社などの参画企業と、サブスクリプション形式でより適正な価格で車を利用したいユーザーをつなぐオンラインプラットフォームを運営する。AIで中古車の適正な価格を算出し、参画するカーリース会社が、ユーザーのニーズに合った中古車のサブスクリプションサービスを適正な価格でユーザーに提供することを支援する。

また今後、ユーザーが車種の選択から申し込みまでの手続きを行えるインターフェースを用意するほか、車両の運行記録を管理できるソリューション、急ブレーキなどの運転挙動を記録して安全運転に役立てるソリューションなどを順次提供していく予定だ。

CARRO JAPANは今後、個人ユーザーへの対象拡大や、ソフトバンクグループであるヤフーが運営する自動車の総合情報サイト「carview!」を活用した送客、その他のグループ会社との連携なども検討していく。将来的には、車両のAI画像解析の活用や、東アジア地域におけるサービスの共同展開なども検討していく考えだ。