9月14日から16日にかけて東京ビッグサイトで開催された海洋技術、海洋ビジネスに関する専門展示会「第4回 海洋産業技術展(SUBSEATECH JAPAN)」にてOKIコムエコーズは、コンパクトな可搬ボート型マルチビーム測深機や海上計測バージの紹介を行った。

OKIコムエコーズは、静岡沖電気とオキシーテックの統合により2022年4月1日に設立された新会社。同社は、各種情報通信装置および電子部品の開発や海洋、湖沼、河川などに関する計測、調査、試験並びにコンサルティングを主な事業としている。

SUBSEATECH JAPANで展示された、可搬ボート型マルチビーム測深機「CARPHIN V」は、小型・軽量で自律航行が可能な点が特徴だ。

  • 可搬ボート型マルチビーム測深機「CARPHIN V」。約30kgのため大人2人などで持ち運ぶことが可能だ

    可搬ボート型マルチビーム測深機「CARPHIN V」。約30kgのため大人2人などで持ち運ぶことが可能だ

  • 船体の底にマルチビーム測深装置がついている

    船体の底にマルチビーム測深装置がついている

これまで河川の水深を測る際には、有人測量船を使うことが多く、測量船にGPSや動揺計を取り付けた後に位置補正値を取得するなど、前準備に約1日ほどかかっていたが、CARPHIN Vではそれらがすべて搭載済みなので準備作業がほぼ必要ないという。

CARPHIN Vは設定した測線上を自律航行して測定できる機能を有し、測量工数を大幅に短縮できる。

また、小型で軽量な船体のため、有人測量船が入れないダム湖や小規模河川など、さまざまな場所でマルチビーム方式の測量が可能となる。

CARPHIN Vに内蔵されているPCで、取得したローデータに補正をかけ、点群データとして扱うことができる。簡易データであれば、リアルタイムで見ることも可能とのことだ。

オプションとなるソフトウェアでは取得した点群データから水底地形なども見ることができる。

  • リアルタイム表示画面

    リアルタイム表示画面

OKIコムエコーズの担当者によればダム湖は年に1度、測量の義務があり、CARPHIN Vは従来よりも少ない工数で、手軽に測量できるため、主に測量会社にニーズがあるのだという。

展示ブースにはほかにも、計測バージ「SEATEC II」も紹介していた。SEATEC IIは建物の中に口が開いており、雨風を避けながら水中環境試験が可能だ。

  • SEATEC IIの模型

    SEATEC IIの模型