アイデムは9月16日、「2022年 副業・兼業に関する調査‐企業編‐」の調査結果を発表した。同調査は、2022年2月4日から6日までの期間、人事や採用に携わる正社員・会社経営層(有効回答数:500件)を対象に実施したもの。

同調査で自社の従業員に副業として働くことを許可しているか聞いたところ、「許可している」が18.8%、「条件付きで許可している」が24.8%、合わせると43.6%となり、4割以上の企業で副業を許可していることが分かった。また、「許可していないが検討している、検討予定」は18.8%となり、約2割は検討段階だった。

一方で、副業として働きたいという人材を受け入れているかどうか聞いたところ、「受け入れている」と回答したのは17.2%、「条件付きで受け入れている」が21.2%となり、38.4%は受け入れていると回答している。また、「受け入れていないが検討している、検討予定」は17.6%で、2割弱が検討段階であることがわかった。

  • 副業の許可/副業希望者の受け入れ 出典:アイデム

    副業の許可/副業希望者の受け入れ 出典:アイデム

また、副業・兼業に関する規定がある企業は41.6%と半数弱で、「今後、検討予定」の企業は21.8%となっている。一方、「規定する予定は無い」企業も36.6%と3分の1を占めている。

自社従業員の副業・兼業について「許可している」「条件付きで許可している」「許可していないが検討している、検討予定」と回答した企業にどのような制限がある(もしくは検討している)か聞いたところ、最も多かったのは「週・月の総労働時間」で38.1%、次いで「従事する仕事内容」が33.3%、「副業理由」が19.6%と続いた。「一律の決まりはなく、個別判断」と回答した企業は36 .2%だった。

  • 副業・兼業に関する制限について 出典:アイデム

    副業・兼業に関する制限について 出典:アイデム

自社従業員に副業・兼業を許可する理由に関しては、「従業員の収入を増やすため」が34 .9%と一番多く、次いで「人材不足解消、新たな人材の採用につなげるため」が27 .6%、「勤務時間外の過ごし方を企業が制限すべきではないから」と「従業員のスキル向上や能力開発が見込めるから」が25 .6%となった。

  • 自社従業員に副業・兼業を許可する理由 出典:アイデム

    自社従業員に副業・兼業を許可する理由 出典:アイデム

一方で、副業を許可することはある程度リスクのあることだ。同調査で自社従業員の副業・兼業について「許可及び検討企業」に、副業や兼業を許可する前に想定していた(される)課題をきいたところ、「長時間労働の懸念」が39.4%と一番多く、次いで「情報漏洩のリスク」が39.1%、「健康管理・安全管理の不安」が36.2%となった。

従業員の体調に関わる内容のほか、自社が持つノウハウや情報が外に流れてしまうのではという心配の声が多く挙がっていたという。

  • 自社従業員に副業を許可する前に想定していた(される)課題 出典:アイデム

    自社従業員に副業を許可する前に想定していた(される)課題 出典:アイデム