荏原製作所は9月15日、多様な人材の活躍を促進しつつ、データドリブンな戦略策定・意思決定に寄与する手段として、2022年9月に同社専用のバーチャル空間をメタバースプラットフォーム「cluster」 内に構築したと発表した。

同社は2022年7月にデータに基づく意思決定を推進するため、データストラテジーチームを発足。並行して行っているダイバーシティプロジェクトでは、性別・国籍・年齢などの目に見える違いではなく、専攻や知識などの目に見えない多様性を重視するタスクダイバーシティを推進している。

バーチャル空間上では、目に見える情報に頼らず、本質的な観点で物事を判断することが可能であることから、同社が目指す「競争し、挑戦する企業風土」を実現するため、アイデアや成果そのもので評価が可能な空間の構築を目指す。

同社が構築するバーチャル空間は3種類の部屋で構成される。

メインロビー(アクアリウム)は、クリーンな水、あざやかなサンゴ、さまざまな魚やウミガメが遊泳する空間。ここでは、祖業のポンプ製品をはじめ、精密電子事業、環境事業、新規事業を含め、同社の創業精神「熱と誠」、技術、未来に向けた思いに触れることが可能。フロントに設置した巨大なステージは、訪れるすべての人にとって、新たなステージへのスタート地点、すべての人が主役になれる舞台となることへの思いが込められているという。

ホワイトホールルームは、清らかなイメージのほかに、真実を明らかにする、スタートするといったイメージを想起させる白をコンセプトカラーとしている。ここは、利用するすべての方が、自由にディスカッションし、ワクワクする会議を体験する場となる。

オフィスルームは、現実世界のオフィスに出社しているような体験ができる会議室。コンパクトな会議室のため、参加者同士の理解をより深めるイベントや小規模な懇親会などの利用を想定しているという。

  • 荏原製作所のバーチャル空間

バーチャル空間では今後、内定式やインターンシップなどの採用関連や営業関連のイベントが実施される予定。データストラテジーチームは、独自で開発したピープルアナリティクスを生かし、バーチャル空間上での人材活躍促進をさまざまな視点から分析し、デジタル・ディスラプション(デジタルによる破壊的イノベーション)に対応した人材開発モデルを構築していく。