会話型AI(Artificial Intelligence:人工知能)などを手掛けるUniphore(以下、ユニフォア)は9月12日、日本電気(以下、NEC)と共に、ユニフォアの通話要約システム「U-Assist」を使用したコンタクトセンター業務の自動化に関する実証実験を開始したことを発表した。
U-Assistは、通話内容全体をベースに分類や要約を行うのではなく、通話内容を分類するキーワードと通話データの活用方法に応じた要約項目をあらかじめ設定することで、機械学習やディープラーニングなどを用いた言語理解モデルによるリアルタイムな自動分類が可能な点が特徴だ。
従来のシステムは音声データのテキスト化、分類、要約の各プロセスを別のシステムで行っているが、U-Assistは音声データを投入するだけですべての処理を一元的に行えるのだという。
今回の実証では、U-Assistにユニフォア独自の音声認識エンジンではなくNECの音声認識エンジンを組み込み、U-Assistの機能が利用できるかを確認する。さらに、実証用にユニフォアが日本国内に構築したクラウド環境においてU-Assistで通話分類と自動要約を行い、要約精度の向上を目指すとのこと。精度80%を目標とし、分類と自動要約の結果はU-Assistから出力される内容と通話データを照合して検証を行う。
NECの音声認識エンジンはディープラーニングを活用した独自の音声認識技術を採用しており、自由会話の認識精度の高さや耐騒音性の高さなどが特長だという。NECの社内で行った実証により、自由会話の認識精度が実用レベルであることが確認されているようだ。両社はこれを用いることにより、コンタクトセンターにおけるコミュニケーター業務のDX(デジタルトランスフォーメーション)に寄与するとしている。