リコーは9月12日、印刷業の現場に向けて、印刷の色合わせや色調整作業を効率化する新たなソリューションである「RICOH Auto Color Adjuster」を、9月15日より販売開始することを発表した。この製品は、同社独自のライン分光技術を取り入れた高速分光測色機と色調整ソフトウェアを組み合わせて、印刷業の現場で発生する色合わせや色管理作業の簡素化を支援するという。
具体的には、ライン状に複数配列した分光センサーを用いて紙面全体を高速に測色し、専用のチャートや見本画像から色調整用のICC(International Color Consortium)プロファイルを作成する。このICCプロファイルを出力したいプリンタで使用することで、正しい色を再現できる仕組みとのこと。
また、専用チャートに基づいてプリンタの色の状態を数値化することで、客観的な色の品質管理も行える。これらの機能により、現場での作業負荷の軽減と業務効率化を目指す。
RICOH Auto Color Adjusterは、プリンタで印刷した色調整用の専用チャートを測色機に読み込ませてプリンタの色状態をチェックした後、各プリンタの状態に合わせてICCプロファイルを自動で作成する。このICCプロファイルを各プリンタで使用することでそれぞれのプリンタで正しい色が再現され、複数のプリンタ間の色差を抑制できるのだという。
ユーザーが行う手動作業はチャートの印刷と測色機トレイへのセットのみで、その他のプロセスは自動化しているため、日々の色調整作業の効率化が見込める。また、色判定用の専用チャートを印刷して測色機に読み込ませるだけで、Japan Color認証制度 デジタル印刷認証の基準値に対して平均色差と最大色差の合否を判定できるため、印刷の色を常に一定品質に維持可能だとしている。
測色装置は236万円。初期登録費用5000円や、基本ソフト月額1万3500円から(年額16万2000円から)などが別途発生する。