アイデムは9月9日、「【2022年副業・兼業に関する調査 -個人編-】」の結果を発表した。同調査は同社が2月18日から20日にかけて、副業に興味があるか既に副業をしている18~70歳を対象に実施したものであり、有効回答者数は600人。

本業として勤める企業で就業規則に副業・兼業に関する規定があるか尋ねると、「規定がある」が35.2%、「規定が無い」が33.5%、「わからない」が31.3%だった。

所属企業の副業許可別では、副業が認められている企業では「規定がない」(44.1%)、認められていない企業では「規定がある」(56.9%)が、それぞれ最も多い。

  • 就業規則における副業・兼業に関する規定の有無 出典: アイデム

本業として勤める企業での残業を含む週当たりの実労働時間を聞くと、全体では週40時間以上が32.0%と最多だった。現在副業をしている人で最も多いのは週10時間未満(33.3%)、現在副業はしていないが興味がある人では週40 時間以上(40.7%)が最も多い。

  • 本業の週当たりの実労働時間 出典: アイデム

現在副業をしている人に副業・兼業の週当たりの残業を含む実労働時間を、副業に興味がある人には実際に副業・兼業を始めるとしたら週何時間程度費やすことができると考えているかを尋ねると、全体では週5時間未満が45.7%で最多だった。

現在副業をしている人が実際に副業・兼業で働く時間と、副業に興味がある人が考える副業に費やせる時間に、大きな差は見られない。

  • 副業・兼業の週当たりの実労働時間 出典: アイデム

副業している人には本業以外に仕事を持つ理由を、副業に興味がある人には本業以外に仕事を持ちたい理由を聞くと、全体では「自由に使える資金を得たいから」が41.7%と最多で、以下「生活する上でさらに収入が必要だから」(33.2%)、「余暇時間を活用したいから」(28.5%)と続く。

副業をしている人の回答では、「自分の技術・能力を試したいから」「やってみたいことがあるから」「本業ではできないことだから」が、全体より多い。

  • 本業以外に仕事を持つ/持ちたい理由(複数回答) 出典: アイデム

副業している人に副業・兼業を始めて得られたメリットを、興味がある人には得られると思っているメリットを、複数回答で尋ねたところ、副業している人では、「好きな時間に働ける」(30.3%)が最多であり、以下「収入への不安が減った」(29.3%)、「自分の自信 につながった」(17.0%)の順だった。

興味がある人では「収入への不安が減った」が53.0%と最も多く、以下「好きな時間に働ける」(34.0%)、「セカンドキャリアにつながった」(19.0%)が続く。

  • 副業・兼業のメリット 出典: アイデム

全員に、副業・兼業で考えられるデメリットを複数回答で聞くと、「余暇活動が取りにくい」(24.2%)が最も多く、以下「収入に満足できない」(21.2%)、「長時間労働になる」(20.5%)の順だった。

副業をしている人では、「特にない」が31.3%と最も多い。興味がある人では、最多の「長時間労働になる」(27.7%)など、時間管理での懸念点を挙げる回答が多い。

  • 副業・兼業のデメリット 出典: アイデム

全員に本業への満足度を、副業をしている人には副業の満足度も尋ねたところ、本業への満足度は「満足している」が25.8%、「どちらかというと満足している」が40.2%で、7割弱が満足と回答した。

副業の実施状況別では、副業をしている人の方が本業にも満足している比率が高い。副業への満足度は、「満足している」が28.0%、「どちらかというと満足している」が47.7%で、8割弱の人が満足と回答している。

本業の満足度別に見ると、本業に満足している人では9割弱が副業にも満足と回答した半面、本業に満足していない人では、副業も満足していない/どちらかというと満足していないとの回答が多くなっている。

  • 本業と副業の満足度 出典: アイデム

全員に、本業での収入が自身の満足できる額だった場合に副業・兼業はどうするのか(興味がある人は副業をしていると仮定して回答)を質問すると、全体では、「収入に関係なく、副業・兼業を行う」が41.5%であり、約4割は本業の収入に関係無く副業を続ける意思があると同社は見る。

  • 本業の収入が十分な場合の副業への対応 出典: アイデム

副業の状況別では、「収入に関係なく、副業・兼業を行う」との回答は、副業をしている人の5割以上、今はしていないが副業に前向きな人は34.3%だった。

本業の月収別では、月収が高くなるにつれ「収入に関係なく、副業・兼業を行う」との回答が増加した一方で、本業の月収が1~10万円未満の回答者は、副業・兼業を収入補填的にとらえている人が多いと同社は推測している。