徳島県と、ケーブルテレビ徳島、日本電気(NEC)、NECネッツエスアイ、NTTドコモ四国支社、NTTコミュニケーションズ(NTT Com)、JTOWERの6社は9月8日、JTOWERが提供する5G(第5世代移動通信システム)共用装置を活用して、ケーブルテレビ徳島およびNECグループが提供するローカル5Gとドコモのキャリア5Gを併用するハイブリッドな5Gネットワークの環境をインフラシェアリングにより構築したことを発表した。

これを用いて、特に医療分野をはじめとする県内のDX(デジタルトランスフォーメーション)を推進するという。まずは徳島県庁舎と徳島県立中央病院の環境整備を進め、2023年春の運用開始を目指すとしている。

  • ハイブリッドな5Gネットワーク環境の概念図

    ハイブリッドな5Gネットワーク環境の概念図

徳島県では、2020年3月の5G商用サービス開始とともに「徳島5G革命」を打ち出している。同月には全国の自治体に先駆けてローカル5G予備免許を取得し、地域の病院と基幹病院を5Gでつなぐ遠隔医療の実現に向けた取り組みを開始するなど、少子高齢化による人口減少や大規模災害などの課題解決に向けた活動を進める。

同県の今回の新たな取組みにより、ローカル5Gの強みである安定性や高セキュリティと、キャリア5Gの強みである広域性や汎用性を組み合わせた、革新的な施策を実現するハイブリッドな5Gネットワーク環境の整備を目指すようだ。

ユースケースとしては、緊急性の高い救急医療において、キャリア5Gを使用することで走行中の救急車から患者の高精細映像や心電図などのデータを病院と迅速に共有できると共に、ローカル5Gを使用して高精細動画などの大容量データを県内の病院間で共有して救急対応を行う病院を他院が支援するような例が考えられる。