米製薬大手メルク・アンド・カンパニーの日本法人であるMSDは9月8日、9月16日より新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対する経口抗ウイルス剤「ラゲブリオ カプセル200mg(一般名:モルヌピラビル)」の一般流通を開始すると発表した。
モルヌピラビルは経口投与のヌクレオシドアナログの薬剤で、新型コロナウイルス感染症を引き起こすSARS-CoV-2の増殖を阻害することが臨床試験にて報告されている。日本では2021年12月24日に特例承認を取得して以降、厚生労働省が所有し、医療機関や薬局などに配分が行われてきた。今般、MSDでは、より迅速に全国の新型コロナに届けることを目指し供給能力の増強を実施。一般流通を開始することを可能にしたとする。
同社では、一般流通の開始により、医療機関や薬局は、他の薬価収載品と同様に卸売業者を通じてすみやかにモルヌピラビルを購入することができるようになり、医師が投与を必要と判断する患者に迅速に投与することが可能になると説明している。
なお、モルヌピラビルは、特例承認の新型コロナ治療薬であるため、厚生労働省所有品および一般流通品に関わらず、処方に際しては、添付文書の「本剤は、本邦で特例承認されたものであり、承認時において有効性、安全性、品質に係る情報は限られており、引き続き情報を収集中である。そのため、本剤の使用に当たっては、あらかじめ患者又は代諾者に、その旨並びに有効性及び安全性に関する情報を十分に説明し、文書による同意を得てから投与すること」の記載に沿って、担当医師から患者への説明と、患者または代諾者からの同意書の取得が必要になるという。
2022年9月8日訂正:記事初出時、タイトルにて「ラゲブリオ」と表記するところを「ラブゲリオ」と誤って記載しておりましたのて当該部分を訂正させていただきました。ご迷惑をお掛けした読者の皆様、ならびに関係各位に深くお詫び申し上げます。