Kaspersky Labは9月6日(米国時間)、「Good game, well played: an overview of gaming-related cyberthreats in 2022 | Securelist」において、ゲーマーに対するサイバー脅威に関する最新の調査結果を伝えた。支払能力があり、勝利に貪欲なゲーマーはサイバー犯罪者の格好の餌食となっていると説明している。
Kaspersky Labはゲームリスクの現状を把握するため、最も普及しているゲームの脅威、マイナー攻撃、ゲームチートを装った脅威、スティーラーに関する統計を観察し、活発なマルウェアファミリを分析した。また、調査範囲を限定するため、最も人気のあるトップ28のゲームリストを作成し、そのリストにあるゲームに関する脅威について分析している。
Kaspersky Labによる主な調査結果は次のとおり。
- 2021年7月1日から2022年6月30日までにゲーム関連のマルウェアや迷惑ソフトウェアに遭遇したユーザー数は384,224人。トップ28またはそのシリーズを装った91,984のファイルが配布されている。
- 2021年7月1日から2022年6月30日までに、最も多く標的として狙われたPCゲームまたはゲームシリーズのTOP5は、マインクラフト、Roblox、ニード・フォー・スピード、グランド・セフト・オート、Call of Duty。
- 悪意のあるファイルが最も検出されたのはマインクラフトで、そのファイル数は23239。しかし、マインクラフトに関連する悪質なファイル数は前年比36%減で、影響を受けたユーザー数は前年比30%近く減となった。
- 2021年7月1日から2022年6月30日までに、最も多くルアーとして機能したモバイルゲームのTOP5は、マインクラフト、Roblox、グランド・セフト・オート、PUBG、FIFA。
- 2022年上半期に機密窃取プログラムに攻撃されたユーザー数が顕著に増加。2021年上半期と比較して13%増加している。
- 2022年上半期、攻撃者は「Trojan-PSW」マルウェアの拡散活動を活発化。機密窃取マルウェアの感染事例の77%がTrojan-PSW関連だった。
- チートプログラムとして配布されるマルウェアや不要ソフトウェアは、特に人気ゲームシリーズに熱中しているゲーマーのセキュリティに対する脅威となった。2021年7月1日から2022年6月30日までにこの種のファイルが3,154個検出され、13,689人が影響を受けている。
- マイナーはゲーマーの生産性に対する脅威として拡大。ルアーとして使われたゲームおよびシリーズの上位は、ファークライ、Roblox、マインクラフト、VALORANT、FIFA。2021年7月1日から2022年6月30日までに1,367個のユニークファイルおよびそのファイルに遭遇したユーザ数は3,374人。
Kaspersky Labはゲーム関連の脅威の被害を受けるユーザー数は減少しているものの、ある種のゲーム関連の脅威は依然として増加傾向にあると指摘。今後もゲーマーをだます新たな手口が現れると予想しており、長年かけて築き上げた資産や認証情報、ゲームアカウントを失わないよう、守り続けることが大切だと伝えている。