キヤノンは9月6日、FA(Factory Automation:生産現場の自動化)など、生産性向上を支援する画像処理ソフトウエア「Vision Edition 2」を2022年9月中旬に発売開始することを発表した。価格はオープン。

同製品は旧型と比較して画像処理性能を向上したほか、ネットワークカメラなど接続可能なカメラデバイスの種類を拡大した。また、外部機器や外部ソフトウェアとの連携を強化するなど、より柔軟なシステム構築を目指したという。

同社はこれにより、製造業だけでなく流通や小売業など、さまざまな業種の現場において映像を活用したソリューションを提供し、製造現場のDX(デジタルトランスフォーメーション)への貢献を目指す。

  • Vision Edition 2の提供イメージ

    Vision Edition 2の提供イメージ

Vision Edition 2はディープラーニングを用いた文字認識強化とパターンマッチング精度の向上による、高精度な画像解析が特徴だという。また、キヤノンITソリューションズが提供しているAI検査プラットフォーム「Visual Insight Station」がサポートする「Detection(位置検出)」「Segmentation(領域検出)」「Classification(分類)」の各機能も同ソフトウェア内で利用可能となる。従来のルールベース方式の画像処理と、新たにAI(Artificial Intelligence:人工知能)画像処理を組み合わせたハイブリッドな画像検査を実現しているとのことだ。

キヤノン製またはアクシス製のネットワークカメラの他にも、USB3 Vision規格に対応した産業用カメラやUVC規格に対応したウェブカメラ、キヤノンのミラーレスカメラ「EOS R」シリーズなど、さまざまなカメラデバイスとの接続が可能。

さらに、HTTPプロトコルを用いて、画像処理指令やプログラムの切り替え、検査結果の受信も可能となる。MES(Manufacturing Execution System:製造実行システム)、WMS(Warehouse Management System:倉庫管理システム)などさまざまなアプリケーションと連携できるという。

これにより、さまざまなFA関連のアプリケーション(MES、WMS、SCADA、BIツールなど)との連携を容易に実現でき、用途が格段に広がるとしている。TCP(Transmission Control Protocol)またはUDP(User Datagram Protocol)による外部機器制御も可能であり、照明のON/OFF制御や画像処理の結果に応じてシグナルタワーの点灯色を変えるような制御にも対応する。