トヨタ・モビリティ基金、デンソー、東京海上日動、東京大学は9月6日、高齢者の安全運転支援を目的とした実証実験を愛知県豊田市で開始することを発表した。実証では、ドライブレコーダーから収集した映像をAI(Artificial Intelligence:人工知能)で分析し、安全運転のためのアドバイスを行うAI運転診断システムを活用しながら、高齢者の事故リスクを低減する方法を検討するという。

実証には、豊田市在住の60歳以上約3000人が参加する。参加者は4カ月間ドライブレコーダーをつけて車を運転し、運転データを記録する。AIがこの映像を解析して、参加者に運転評価を毎月提供する。

  • 実証の概要

    実証の概要

具体的には、運転中の車内外のカメラ映像やセンサーデータを常時ドライブレコーダー内のSDカードに記録して、データ分析を行う。今回使用するシステムは衝突時だけではなく全ての記録データを解析するため、日常のリスクシーンや運転の癖などの潜在的なリスクまで解析が可能とのこと。解析データに基づき、ドライバーにフィードバックを行うことで行動変容を促し、リスクに結びつく運転特性の改善や事故の抑制に寄与するという。

運転の評価やアドバイスとしては、前月の自身の成績との比較や、同世代の人との比較を提供する。また、実証参加者自身の危険運転の映像や、交通ルール違反の回数などもフィードバックするようだ。

  • 運転評価の例

    運転評価の例