GNUは現地時間2022年9月4日、Gawk(GNU awk)バージョン5.2.0のリリースをメーリングリストで報告した。ソースコードはGNUのメインFTPからダウンロードできる。Gawkはテキスト処理を目的としたプログラミング言語であるawkに、GNUの独自実装を加えた機能強化版。たとえばUbuntuはawkのエイリアスとしてGawkを呼び出している。

本バージョンは複数の変更を含んでいるが、印象深いのはマニュアルページ(doc/gawk.1)の縮小。今後はオンラインマニュアルを参照する形に置き換わる。もう一つがOS/2のサポート終了。投稿者はその理由を「積極的にメンテナンスされていないため」と説明している。合わせてDJGPPやVAX/VMSのサポートも終了した。

  • Gawk バージョン5.2.0

    Gawk バージョン5.2.0

本バージョンはコンパイルなどの操作を簡易化するLibtoolをバージョン2.4.7、構文解析器生成パーサージェネレーターのBisonをバージョン3.8.2に更新し、インフラストラクチャーの性能を高めた。コンマで区切った任意のスカラー変数と関係演算子に対する処理を、Cと同じ方法で比較するように仕様変更し、環境変数「AWK_HASH」で「fnv1a」を設定している場合は、連想配列に対してFNV1-a Hashを使用する。また、新しいBoolean型の値を作成する関数「mkbool()」が加わった。値自体は数値ながらもBoolean値としてタグづけされ、他の言語や環境とのデータ交換に用いられる。他にもCMakeの削除など複数の変更が加わっているので、アーカイブ同梱のChangeLogを参照してほしい。