SAPジャパンは9月5日、東京大手町の本社新オフィスでの業務を開始したことを発表した。同日、報道関係者向けに内覧会が行われたので、新オフィスの様子を紹介する。
新オフィスは三井物産ビルの11~12階に入る。移転前は半蔵門エリアの10階建ての自社ビルだったが、オフィス総床面積を55%削減し、1フロアの面積を2.4倍にした。SAPジャパンに加えてコンカーも同オフィスに転入する。
SAPジャパンとコンカーは、2020年2月から段階的にリモートワークに移行し、現在社員の9割以上がリモートワークを実施している。
内覧会に登壇したSAPジャパン 代表取締役社長 鈴木洋史氏は、「新オフィスでは、働く場所、働く時間、働く場に柔軟性をもたせ、従業員の働きがい向上を目指す。デザインやレイアウトを固定化せず、利用者のニーズに対応する設計で、働く人の好奇心を刺激するオフィスだ」と、新オフィスの特徴を説明した。
新オフィスでは、会議室ソリューションやオフィス用アプリケーションなどのデジタル技術を活用し、バーチャルと対面を組み合わせたハイブリッドな働き方を実現する環境を構築。また、従来の固定席を完全フリーアドレスに変更し、可動式のオフィス家具を取り揃え、さまざまな働き方のニーズに柔軟に対応できるようにした。
特に印象的だったのは、オフィスのありとあらゆる場所が「斜め」に配置されたこと。碁盤の目のように整頓されたレイアウトから、斜めに配置されたレイアウトを採用することで、「好奇心を刺激し人々の動きを促し、偶発的なコミュニケーションを発生させることができる」と、SAPジャパン 総務部 オフィスプロジェクトマネージャー 瓜田良介氏は説明した。
社員のウェルビーイングをサポートする環境を整備している点も特徴的だ。ウェルビーイングとは、肉体的・精神的・社会的に満たされた状態を示し、近年従業員の健康管理を経営的な視点でとらえる考えが広まっている。
具体的には、カフェブースを設置し健康的なドリンク・フードを無料で提供、リラックス・集中効果のある音ソリューションの導入、コミュニケーションを促進する新たな職種「ワークプレース アンバサダー」の導入など、さまざまな取り組みを行い、「従業員が五感で最高のパフォーマンスを発揮できるオフィスを目指す」(瓜田氏)とのことだ。
さらに、新たな働き方を推進するためのアプリケーション「SAP FlexConnect」も導入する。SAP FlexConnectでは、自身の働き方を共有したり、自分のチームの働き方や居場所を確認したりすることができる。また、用途に合わせたミーティングや場所、机の予約 などが可能だ。
また、SAPジャパンが所有するデジタルイノベーション施設「SAP Experience Center」および三菱地所と共同で運営するビジネスイノベーションスペース「Inspired.Lab」も大手町に位置していることから、新オフィスを含め3つの施設をフル活用して、顧客・パートナー企業との連携を強化していくとのことだ。